2022年2月20日日曜日

月刊キトキトハンター(2022年2月号)



・告知

モンスターキス新ホームページで、各フィールドテスターが釣行レポートをUPしています!
今月の僕のレポートはこれから旬な釣り『富山のホタルイカパターンを再構築』について書いてます。
詳しくは是非チェックしてみてください!


今月の2月26日に地元、上州屋新高岡店でイベントやります!釣りモノが増え忙しくなる時期ですが、お時間の許す方は是非遊びにいらしてください〜。

(ネットで在庫切れの新製品ハンターズのスピニング、予約受注行います!僕も行けたらと思ってるのでお店で会いましょう!)


・番外編アフリカ

今月はあまり釣りに行っていないので、ネタ少ない…
(現在、釣りのための準備期間)

コロナの影響で海外へ行けないということもあるけど、今まで海外の深い話を今ひとつ出してない。
なので今月号は記憶を辿って過去の海外遠征のお話を!
不定期企画ですが、これからも何らかの理由で釣りに行けない時もあると思うので、そんな時は過去の釣行記編をまとめていけたらなぁと思います。

今回はこれまでの旅(計10回)を振り返って、特に思い入れの強い初めてのアフリカ旅について。
1ヶ月の旅を1回の記事にするので少々長くなりますがw 
海外に興味ある人は最後まで読んでもらえると嬉しいです!

(ラテス属はアカメだけじゃない。アフリカにはもっとデカくて魅力的な仲間がいた)


【釣り旅を始めたキッカケ】

19歳の時、旅の資金を稼ぐために給料が良い金属プレス工事で勤務していた。
夜勤の仕事にも慣れ、勤めてから1年ほどが経過した頃、思いもよらぬ事故が起きた。
金属プレス機50tが僕の利き手の右手を襲った。
切断手前の大怪我。当然意識がなくなり、緊急手術。
こんなので釣り人生失ったら一生後悔する。
絶対絶望の中、6回の手術、入院、リハビリ…を繰り返すことで奇跡的に回復した。
ロッドを利き手と逆の左手に持ち替えなんとか釣りができるようになってから海外遠征へ…。
きっと、この事故が旅のスタート。

(ネタにはしてるけど、たくさんの人に心配と迷惑をかけてしまった。ただ、今となっては"これでよかった"かも?と思える)


【初めてのアフリカ】

10代の時の事故が逆境となり、2019年5月。
アフリカ行こう!と決意して、自分の中で憧れを抱いていたラテス属(アカメ属)の最大種とされるナイルパーチを求めて、初めてのアフリカはケニアへ。

果たして究極の旅が待っているのか?

(赤土だ。近づいてきた!)

(中継地はアフリカの中でも治安が悪いとされる首都、ナイロビ)

無事ケニアに入国し、宿で仲良くなったケニア人と街を探索しながら歩いていると、いきなり浮浪者やホームレスが目につく。
中にはこんなヤツも…
思わずガン見してしまい、鋭い目つきで振り返られた時は終わったかと思った。こういう見るからにヤバい人とは絡んじゃいけない。
今までの国と比べて、昼間でも見るからに危なっかしい人の多い印象をまず受ける。
ただ、出来るだけ単独をさけて夜間遅く出歩かなければ問題ないと現地の人は言う。まぁ人住んでるもんね。

(めちゃくちゃ臭いドブを越えたドブw 日本ではまず有り得ない光景)

釣りの目的地はトゥルカナ湖の湖畔の村。
ちなみに飛行機or長距離バスで行くのが一般的だそう。
時間を取るかお金を取るかの選択。
自分の場合、時間はたっぷりあり後者の方が旅的にも楽しめそうだと思い陸路で行くことにした。
(これが中々しんどかったけど・・・)

バスターミナルへ行き、目的地へのチケットを購入。
翌日朝、僕を乗せたバスは予定通り湖へ向けて出発した。
バス、意外としっかりしてる?と思いきや、
乗客は余裕でキャパオーバーしていて、ギュウギュウ詰めで早く降りたかったw

(途中、休憩を挟んで止まってくれる。街外れの村では若者が集団でギブミーマネー!ギブミーマネー!と近寄ってきたり)

(またまた休憩中、乗客は皆親切で色々教えてくれた)

【ケニア・トゥルカナ湖】

奥地に行くにつれ、道は悪路。
ナイロビを出てから2日後、ついに着いた。
ここがトゥルカナ湖!
湖を探索して思った第1印象は浅い。浅すぎる。
どれくらい浅いのかというと、このエリアは100m以上先まで入っていけたほど超ドシャロー。
こんな地形は日本にはまずないだろうw
後から告げられたが、この周辺はクロコダイルが多数いるとのこと。(先に言えよw)
何はともあれ少しずつナイルパーチに近づいてる、ハズ。

(広い、浅い、そして生命感を感じられないような雰囲気)

(歯を磨くケニア人)

(アフリカの子供は人懐っこくて可愛い、パプアの人々みたい)

子供たちとテキトーに遊んでいたら・・・
近くで魚が死んでる・・・?
この牙、もしかして?
タイガーフィッシュだった!初対面!
釣り旅において初対面は死体が多いのは面白いw
初めて見てテンションがぶち上がった。

(牙がすごい!本命はナイルパーチだが、この牙は魅力的すぎる)

(漁師のものと思われる網にティラピアもいた。奥地にしては網しっかりしてるなぁ)

この日、湖畔でたまたま知り合った漁師がまさかのナイルパーチを持ってきた!いるいる!

(毎回死体だけど、初対面はやはりテンション上がる)

もう居ても立っても居られなくなり、湖畔で知り合った漁師達にボートを出せるか交渉してみた。
すると、この日は時間も遅く明後日ならいいよと。
明後日までに必要な物資を次々と用意することになった。

大事なものから順に買う。奥地だと手に入らないなんてこともあり得るから。
1番重要なものは何と言ってもガソリン。
湖を見た感じではトローリングが中心になるだろうから必要以上にストックした。

(大量のガソリン。トローリング経験はもちろんないし、どれだけあっても使い切るだろう)

ガソリンの他には、忘れないよう紙に書いたおいた必要なもの(特に水)を全て揃える。この時点で現地資金半分を使い切った。

(これで3人分の水。長時間、砂漠での釣りは想像を絶するほど辛いだろう)

さて、明日からはナイルパーチのポイントであろう島に向かう予定。
やる事もそんなにないし、砂漠の中にベッドを敷いて早めに就寝。空は満天の星。いい夢見れそう!

(奥地では基本的に野宿。気温変化が少なく蚊が全然いなくて驚くほど快適だった)

【ナイルパーチ遠征】

入国6日目、1週間の日程でようやくナイルパーチを追うことができそう。
目的地が湖に決まっていたから?これまでの旅と比較して、魚がいるかどうかすら分からなかった旅よりも随分トントン拍子に進んだ。

(面積が琵琶湖の10倍だそう。こんな広い湖からどう魚を引っ張り出すか)

長時間船を走らせポイントの島に到着して、
早速スピナーを(ベイトで無理矢理)投げると数投目から何かチェイス。あれ、魚影濃い?
食いついたのはティラピアだ!
ネイティブは釣ったことがないから嬉しい!
今思うともしこの時、比較的ライトなスピニングがあったらもっと楽しめただろうなぁ…。十分楽しかったけどね。

(ボート置き場とキャンプ地の真横で1人ティラピア釣りに燃えていた)

午後からは本命のナイルパーチ狙いでトローリング開始。
意外にも幸先よく、竿先がドンッと引き込まれた!

魚体が見えた瞬間ナイルパーチだとすぐに分かった。
強引に取り込んだ。そして、歓喜。やったぞ!

(初ナイルパーチ!すごく綺麗な魚体)

このナイルパーチの後、日に数回アタリがある程度。
最も釣れる釣り方を実践できてはいるはず。
まぁ浅くてトローリングじゃないと釣りにならないけど。
ポイントが違う&分かっていないのが原因か、アタリが遠のく。
時々釣れるのは〜60cm程のチマサイズのナイルパーチ。魚体の個体差が感じられる。


ファーストフィッシュより1回り大きい
80cmクラス!
ルアーは全てカウントダウンマグナム14。

(これくらいが全体の形とバランスが整ってる気がした)

思っていた通り、みるみるうちにガソリンが尽きた。
アフリカ来ても逆境だなぁ…当たり前か?
若干後ろ向きになりつつ。
お金に余裕はないが、時間はある。
一旦村へ戻ってまた1から出直すしかない。
巨大なナイルパーチはどこだ?と漁師たちに聞くと、口を揃えてここがいい!と言ってきたがそこはどうやら漁師のポイントで浅いとのこと。
それなら思いきってここに行こう!と指示した。

(巨大ナイルパーチ捕獲作戦に手を上げてくる協力者)

「郷に入れば郷に従え」
という言葉があるけど、それは現地の人と馴染むためであって、流されちゃいけない。海外では、特に奥地では自分の意思をはっきり伝えた方が良い事が多い。
お金も時間も次の遠征で最後だろう。
そこはもう1つの島。どうか楽園の島であってくれ!

(さらに8時間以上かかるという島に向けてボートで移動)

5日間の日程で再度、巨大なナイルパーチを追う遠征。
水深がそれなりにあり、岩が点在しているいかにも潜んでそうな場所からトロール開始。
時々ルアーが岩に当たって根がかりが多発。
ボトムスレスレをしっかり攻められてるのがすぐに分かった。
ただただ信じてしばらく流すと、ボトム付近で食った!

(この1匹で移動したのが正解だったと確信。少しずつナイルパーチサイズに近づいてきた。この魚で頭の中はもう随分満足していたけど)

(貫禄の増したナイルパーチ。本当にカッコいい魚だ)

(立て続けにもう1匹。魚体から見るからに居着きタイプと思われる)

そして、最終日の夕マズメ。
持ち込んでいたルアーの中で1番大きくて1番深く潜るカウントダウンマグナム18を結んだ。

ポイントを変え、さらにディープを意識して攻めると、最後の最後にきた・・・!
重量感から今までより遥かにデカいのがすぐに分かった。
なかなか浮かない桁違いのパワー。
この時のロッドはMX7。
障害物周りだったため、無理やりでも寄せるしかない。
なんとか引き剥がし浮かせることに成功。
繰り返されるエラ洗いが強烈…。

そして、やっとの思いでランディング。
巨大なナイルパーチだ・・・


(150cmジャスト。"自分ルール"で149cmにした)

アフリカに来る前、自分を変えたいと思った。
そして憧れのナイルパーチと出逢えて「全部、これで良かった」確かにそう思えた。
初めてのアフリカで、前進できた(気がするし)デカさだけじゃない。この魚との出逢いによって怪魚は特別な存在になった。

これが僕にとって初めてのアフリカ。釣りも釣りじゃない部分も全部ひっくるめてたぶん1生忘れない。
最高の旅だった!!

(ナイルパーチで燃え尽き、トゥルカナ湖を後にした)

【今後の釣り旅】

当時の自分には怪魚しかなかった。
それはキッカケがあったからこそだと思う。

これからバックパッカースタイルで釣り旅してみたいって思う人はたくさんいると思うけど、"遠くから行く"ことをおすすめしたい。僕は遠くから行ってないけど、今までアジア、パプア、アマゾン、アフリカと旅してそう感じる。

釣りでもっともっと海外経験豊富な人は先輩方にたくさんいるし偉そうに言うつもりはないけど、コロナとは別の理由で行けなくなることがあるかも。行けるうちに(お金より時間と体力のあるうちに)行くべきだと思う。
本気で1匹の魚の感動を得たいなら。継続すると応援してくれる人は必ず現れると思うし、何よりも人生の糧になると思う。

自身の今後は、今までの旅的スタイルで釣りたい魚を求めるのは前提なんだけど、そこに自身の目標とテーマを併せ持って旅したいなと。
今はコロナで良い準備期間。
地元の釣りも大好きだけど、海外まで釣りに行くのが僕のスタイル。次の旅はこれまでとは違ったものにしようと思っている。

くだくだと書いてしまいましたが、今回はこの辺でw

さぁ、春はもうすぐそこまで。
まだまだ地元は冬だけど、3月はホタルイカシーズン。
地元富山の釣りに密着しよう!

(今年はホタパタに没頭する春にしたいなぁ)

次回の月刊キトキトハンター3月号は3月20日にUPします!来月からはアクセル入れてキトキト富山らしいブログにできたらなと!)